SAPの特徴として移送の仕組みが挙げられますが、残念ながらEPやWebDynpro for JavaなどのJava系はABAPほどこなれた移送の仕組みがありませんでした。
ただ、今後はCTS+(Change and Transport System Plus)と呼ばれるCTSの拡張機能により、これらのJava系の移送もABAPの移送依頼に含ませて移送できるようになります。
まあ実際にはBI7.0になった時点で、ABAP->Java(実際にはEPのKMのコンテンツ)になったWebReportはABAPでのTMSから移送できていましたが、それが拡張された形でしょうね。
たとえばSAP HCMのESSではWebDynpro for Javaも使うしABAPの方も使う、EPのiViewも使うしで、今まではそれぞれ別々に、パッチを当てたりModifyする際は移送を実施していました。これがCTS+により、ABAPの移送依頼で一元管理できるようになります。
ではNWDIやSLDはどうなるのか、というと、NWDIで生成されるSCAファイルもCTS+の方で移送依頼に含めることができるようになります。
あとSLDの方はというと、もともとPIと密接に結びついている関係で、PI側で移送管理の仕組みありましたが、CTS+により、他との整合性をより鑑みて移送できるようになります。SLDに関してはそもそもランドスケープ上にどう持つのがいいのか、という議論ありますが、それは以下が参考になると思います。
今後のCTS+はMDMのオブジェクトなんかも取り込んでいくらしいです。
あと、「SAPでいうSOA時代の管理といえばSolutionManager」という話もありますが、SolManとの連携は、既存のSolManでの一括移送管理機能と同じようになるっぽいです。SolManで移送依頼を作成して、それを既存の依頼(CTS+使うのであれば開発環境のCTS+の移送依頼)と結びつけます。SolManで移送依頼管理する利点は申請/承認ができるところですね。
SOA時代はSAPでも分散した開発が多くなってきます。たとえばNetWeaver CE(Composition Environment)などでUIやWF系のConsumerを開発、ERPやCRM、SRMなどのProducer側でES(Enterprise Services)カスタマイズ、そしてときにはPIを利用してoutside-inのES拡張開発・ESRへの登録。あとはESBとしてのPIや、MDMの利用です。BOBJなんかもあります。
変更管理のRuntimeツール、移送ツールとして是非CTS+使っていきたいですね。
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